世界シェア5位！中国人もよく知らない中華スマホ「トランシオン」快進撃の衝撃
T O P I C
中国深センに本社を置く伝音（トランシオン）の快進撃がとまらない。中国国内市場では目にすることがないブランドでありながら、2023年における世界スマートフォン市場のシェア8.1%を獲得、トップ5にランクインした。アフリカ市場をほぼ制覇し、世界70以上の国と地域で2,000を超える代理店と小売店のネットワークを構築する。幅広い製品ラインナップが強みで、高い成長力で注目を集めている。
世界トップ5にランクイン
中国深センに本社を置く伝音（トランシオン、Transsion）は、機能的なスマートフォンから高価なフォルダブルのスマートフォンに至るまで、幅広い製品ラインを展開している。特にアフリカ市場では大きな成功を収め、「アフリカのスマートフォン王」と称されているブランドだ。
IDCのレポートによると、2023年の世界スマートフォン市場におけるトランシオンの順位は5位。8.1%のシェアを占める。同年は世界の電子産業が軒並み低迷したが、アフリカ市場を中心に高い成長率を確保したトランシオンの快進撃がより目立つかたちとなった。
IDC発表の情報を元に編集部で加工編集
新興市場で高い存在感
トランシオンが提供する製品は多岐の価格帯に及んでおり、幅広い消費者層をターゲットにしていることが分かる。世界70以上の国と地域に、2,000を超える代理店と小売店のネットワークをもつ。同社が有するブランドにはInfinix、TECNO、itel、Syinix、Oraimo等があり、主にアフリカ、インド、東南アジア、中東など新興市場で存在感を高めている。
市場研究機関Canalysによると、とくにアフリカ市場でのプレゼンスは高く、Infinix、TECNO、itelの3つのブランドのシェア合計が40%以上に及び、サムスンのシェアを上回る。2023年、トランシオンの売上高は前年比33%増の621億元を超え、純利益は前年比121%増の約54億元を確保した。
トランシオン公式サイトから
Calcareでオン・オフ統合サービス
トランシオンがアフリカでシェアを高めてきた背景には市場ニーズに沿った製品づくりで信頼を高めたことも大きい。耐久性や音響効果などの強化を重視してきたほか、アフターサービスでも高品質な保証とフォローアップ体制を確保している。
2015年には同社のアフターサービスのブランドとして「Carlcare」の公式モバイルアプリ（Carlcare App）をリリースし、オンラインとオフラインのサービス統合を図った。2019年12月には消費者に全方位のワンストップアフターサービスを提供することをコンセプトに、ナイジェリアのラゴスにCV旗艦店（Computer Village旗艦店）を開業したことも話題になった。Google Business、Whatsappを通じたサービスを提供し、Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアでも情報発信を積極的に行っている。
参考